【映画で学ぶ英語】inがあるかないかで大違い〜『トップガン マーヴェリック』編

トップガン マーヴェリック』が大ヒット中だ。

本来、『トップガン マーヴェリック』は2020年に公開されるはずだった。しかし未曾有のCovid-19禍の下、公開は延期。他の映画が配信での公開で妥協点を図る中、プロデューサーも務めるトム・クルーズは決して配信スルーには同意しなかった。

そして2年越しに映画は公開された。

前作から実に36年越しの続編で、全世界興収が10億ドルを超え、トム・クルーズ作品で1位、アメリカではタイタニックの興収を抜いたそうだ。Covid-19がある程度沈静化した時期とは言え、この数字はすごい。前作を観ていた人たちより多くの観客が映画館に足を運んだはずである。
かく言う私もその1人だ。

世界興収10億ドルを超えた時のトム・クルーズのツイートが痺れるくらいカッコよかった。

To all the films in release, to all the studios, and to all the exhibitors: congratulations. To the audience: thank you for venturing out and allowing us to entertain you.

See you at the movies.

「すべての封切られた映画へ、すべてのスタジオへ、すべての映画館主へ、おめでとう。観客へ、大胆にも外へ踏み出してくれて、そして君たちを楽しませることを僕たちに許してくれてありがとう。

映画館で会おう」(拙訳)

このままでは『トップガン マーヴェリック』は良いぞという記事で終わってしまいそうなので本題に入ろう。

映画は、前作のトップガンから30数年後、未だ現役のパイロットであるピート・“マーヴェリック”・ミッチェル大佐が、上官を怒らせてトップガンの教官になるところから始まる。
限りなく成功率の低い任務のため、マーヴェリックは若いパイロットたちを教えることになったわけだが、その中にはかつてマーヴェリックの親友で相棒で、訓練中に事故死したグースの息子、ルースターが含まれていた。
──というのがざっくりしたあらすじだが、登場人物の関係や感情の遣り取りなどは各自検索して把握していただけるとありがたい。

さてさて今度こそ本題。
今回は予告でもよく使われていたマーヴェリックとルースターとの会話から(括弧内の翻訳は字幕のうろ覚え)。

マーヴェリック: You think up there, you’re dead, believe me.(考えてたら死ぬ。信じろ)

ルースター: My dad believed in you. I’m not going to make the same mistake.(父はあんたを信じて死んだ。同じ間違いは犯さない)

 

マーヴェリックがただのbelieveを使っているのに対して、ルースターはbelieve(d) inと返し、マーヴェリックの顔が曇る。

で、believeとbelieve inの違いが気になったので辞書で引いてみたら

believe 〈話などを〉信じる,本当[真実]だと思う;〈人の〉言葉を信じる

believe in 〈人を〉信頼する,信用する
小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版』)

つまりマーヴェリックがルースターに対し、任務に当たって、

飛んでいる時は考えるな、考えてると死ぬ(という自分の忠告を)、信じろ

と言ったのに対し、ルースターは、

父はあんた(という人間)を信頼していた。俺は父の二の轍は踏まない(=俺はあんたを信頼しない)

と返しているわけで、これは任務以前に、マーヴェリックの忠告は疎か人間性も信じない、というとても辛辣な返しだったのかもしれない。

 

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