スポーツクライミング、ボルダーの見方(超初心者向け)

昨日、パリ五輪でスポーツクライミング男子ボルダー準決勝が行われた。

観てたら、力が入り過ぎて終わったあと疲労困憊だった。登ってもないのに。

スポーツクライミングが五輪競技になってから2回目ということで、競技の形態に若干の変更があったらしいが、とりあえず今日も女子ボルダー準決勝が行われるので、ちょっと見てみようかな…程度の人でも何となくわかりそうな説明を書いてみたい。

ちなみに点数の数え方とかは書いてない。私もきちんとはわかってない。「少ないトライ回数でゴールまで登れればスゲェ」「ゴールまで行けなくても上まで行ければスゲェ」くらいのスタンスから見ても全然問題なく楽しめると思う。

スポーツクライミングのボルダー(ボルダリングと同義)では、約5メートルの壁に配置されたホールドを使って、いかに少ないトライ回数でゴールできるかを目指す。

課題は4つ。競技はベルトコンベア方式で行われ、 1人1課題5分が割り当てられている。ベルトコンベア方式と言ったのは、最初の選手が1番右の課題からスタートし、課題がひとつ終わるとひとつ横にずれていく、という仕組みだからである。

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最終的に、上の画像のように4つの課題に4人取りかかっているという状況になる。だから目が忙しい。

逆に、競技スタート直後は選手がひとりきりでひとつ目の課題に取り組んでいるので、少し盛り上がりに欠けることもあるのは仕方ないかなと思う。が、それも5分の辛抱。
しかもひとつめの課題からかなりの難易度なので、正面からの画像ではわからないエグさをクロースアップ動画で見て「これをどうやって…?」と頭を抱えるのを楽しんでほしい。

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何だこの傾斜。

基本的に、ボルダリングは「上手い人が登っていると難しく見えない」というエフェクトがかかってしまうのだが、今回の男子ボルダー準決勝に関してはめちゃくちゃ難しそうだった。こんな記事出てたし。

この競技では、出場選手は他の選手がどう登っているかを基本的に見ることはできない。20人出るなら20通り、「どうやって登るのか」という攻略法を見られるのは観客だけ。

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身長とリーチ(両腕を広げた長さ。長いほど有利とされる)、柔軟性や筋の強さまで、様々な身体条件のトップ選手が登るのを見られる。

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しかしめちゃくちゃ難しそうだったなぁ…3つ目の課題に関しては完登者が出なかった。

そんな中で、ボルダー準決勝1位になったのは日本の安楽宙斗(あんらく・そらと)選手。

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すごい平然とした顔して登る。
ボルダリングは、ずっと力入れててもダメなスポーツで、適度に力を抜くことが大事と言われている。その方が身体を上手く使えるらしい。
そしてこの安楽選手、現在のクライミング世界ランキング1位である。ランキングは去年12か月間の世界選手権およびW杯での成績に応じたポイント制で、安楽選手は去年16歳で初めて参戦したのにこの成績。すごい。

2位通過したのは、東京五輪にも出場した楢崎智亜(ならさき・ともあ)選手。ダイナミックなクライミングを得意としていて、「日本の選手で忍者みたいに登る人がいる」とか「スパイダーマンかよ」とか海外のファンに言われ始めた最初が恐らくこの人。

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世界選手権7回優勝、世界ランキング4位。
年始の『ウルトラマンDASH』に東京五輪スポーツクライミング銅メダリストで妻の野口啓代と一緒に出たり、『THE神業チャレンジ』で通天閣を外から登るなど、日本国内のクライミング人口を増やす取り組みに積極的なのは楢崎選手だろう。
現在28歳で、年齢的にもどうにかメダルを獲ってほしいなぁと思う。

他の国の選手もキャラ濃いめで好きなのだが、なんか冗長になってしまうので今日はここまで。