鏡を見たら哀しき怪獣がいた

自分の肩幅が人より広いらしいと知ったのは、中学校に入る前に制服を作るため採寸を受けた会場でだった。
「立派な肩だね」と、私を採寸したスタッフ(たぶん女性だった)に言われた記憶がある。特に嫌味や揶揄的な言い方ではなく、肩が立派なんだな、と言葉通りの意味として受け止めた。その認識は今も昔も変わっていない。

確かにランドセルやバックパックが肩を滑り落ちた記憶はないし、トートバッグすら一旦掛けたらなかなかずり落ちない。便利なオプション機能くらいの感じだった。

前もって言っておくと、スポーツなどをして肩幅が発達したわけではない。恐らく生まれつきの骨格だ。

成人してから肩を痛めて整形外科でレントゲンを撮った時、医師に「肩は問題ない。立派な骨です」と言われた。これはもう、名実ともにガッチリいかり肩だということだろう。

それから幾星霜。
その肩幅がさらに広くなろうとしている。

肩幅が広くなるスポーツとして、私が認識していたのは水泳くらいだった。しかしどうやら、ボルダリングもだったようだ*1

ボルダリングが肩と背中の筋肉をめちゃくちゃ使うスポーツだということはわかる。世界トップクラスの選手の肩や背中はそりゃもうバッキバキである。

そんな筋肉が週数回登っているだけの私にまで適用されるとは思わなかった。いや、正確に言えば、もちろんトップ選手のバッキバキな筋肉からは程遠い。しかし私には生来、骨まで立派な肩というポテンシャルがあったのだ。
去年の夏、肩がパツパツになり、手持ちのTシャツが半分ほど強制的に断捨離と相成った(寄付した)。この冬、着られるセーターは全体の半分しかなくなった。

そんなある日、風呂上がりにふと自分の姿を鏡で見て強烈な既視感に襲われた。

ウルトラ怪獣シリーズEX ジャミラ

ジャミラがそこにいた。
ジャミラだ…

ジャミラだな…と思って、ウルトラ怪獣に全く明るくないので初めてきちんとプロフィール読んだら、ジャミラは可哀想な怪獣だった。

円谷プロの説明は割とドライだが、Wikipediaの方を読んだら泣くかと思った。

ja.wikipedia.org

お前…『オデッセイ』のマット・デイモンが闇堕ちしたみたいなキャラだったのか…

オデッセイ(字幕版)

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  • マット・デイモン
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先週ボルダリングに行ったら、両肩の三角筋が筋肉痛になったので、私の肩にはまだ鍛える余地があるということになる。

となれば、この先もしばらくは、何気なく鏡を見ればジャミラがそこにいるだろう。

ボルダリングは楽しいし、ジャミラのままでも別に構わないが、3年前に奮発して買ったダウンコートだけはパツパツにならないでくれと願うばかりだ。

 

*1:ボルダリングにハマって書いた記事諸々↓