以下、全てネタバレです。(ふせったーからの転載)
①
アマゾン族の戦士たちがカッコよくて仕方ない。アンティオペ将軍はもちろん、ドイツ軍に対してヒッポリタ女王がケープ翻しながら攻撃するシーンは全私がスタンディングオベーションした。
妹のアンティオペが強いのはもちろんだしヒッポリタも昔は戦ってたはずだけど、ダイアナに戦闘の訓練を許さなかった女王がいざとなったら戦うという姿にものすごい萌えた。王様が強いの反則にカッコいい。ヒッポリタ女王、自分の領土の安寧を最優先しながら、戦う時にはめっちゃ強いのスランドゥイル様に通ずるものがある。
②
ワンダーウーマン、スティーブ・トレバーがすべての鍵だったと言っても過言じゃなかった。ダイアナに助けてくれたことのお礼を言い、ダイアナの見当違いを笑うことなく説明し、アレスの存在も最後まで否定しない。多分トレバーは、信じたかった んじゃないかなぁと思う。戦争が1人の死で終わるわけないことは百も承知で、それでもダイアナが言うことを信じたかった。まっすぐな目で世界を見る稀有さを知っていたから。トレバーは、生身で無人地帯を突破し、鐘楼にひと飛びで上がってしまえるダイアナを羨むことも疎むこともしない。本当に等身大のまま、戦場に飛び込んでいる。その上で無茶な任務に就くことを選んでいるし、多分とっくの昔に死ぬ覚悟もしている。究極の現実主義者で、為すべき正義も知っているけど、その正義がすべてにおいて通用するとも思っていない。だからダイアナの正義を信じたかった。
ルーデンドルフを殺した後で混乱するダイアナに、トレバーは言葉を途切れさせながらも「確かに僕たちは救うのに値しない」「戦争は僕たちみんなの責任だ」と言う。ダイアナが「私の責任じゃない」と返すと「でも僕の責任なんだ」と応える。スパイとして正義を貫きながら、それでも"正しい"ことをしているかどうかは彼自身もわかっていない。だからこそ彼は行かねばならず、だからこそ彼は「I have to go.」と何度も言う。繰り返されるそのセリフに「僕の任務だ」「使命なんだ」という日本語字幕があてられていたけど、彼は積もるところ「I have to go.」としか言っていない。
ダイアナが今際の際のアンティオペに言われたように自分の思う方へ"行く(go)"、それはダイアナが島を出たように、誰にも止められるものではない。ダイアナは正しいことを為すために島を出た。トレバーは、この先世界がどうなるかは知らないし、多分想像することもしない。でも新型爆弾投下は絶対に止めなければならないことだけは知っていた、だから
「僕は今日を救う 君は世界を救え(I can save today. You can save the world.)」
なんだと思う。
トレバーは最後にダイアナに父の腕時計を託して、「I wish we could've more time.(もっと時間があればよかった)」と言う。戦場を潜り抜けてきて、どんな残酷な場面に出会っても足を止めようとしなかったトレバーが、新型爆弾を積んだ飛行機が飛び立つその瞬間まで、ダイアナとの時間を惜しむ。そして去り際に「I love you!」と言ってダイアナに背を向ける。
多分その瞬間に、ダイアナはトレバーと繋がったのだろう。トレバーを愛することで、トレバーの言う「人間が救うに値するかどうかではなく、人間を信じるかどうか」の意味がわかったんだと思う。
本当にスティーブ・トレバー大尉という人は、アメコミ映画に出て来るごく普通の人間という役柄の中でも本当に真摯で得難い人だったと思う。
トレバーや仲間たちと撮った写真の原板を見て、ダイアナはブルースにお礼のメールを書くわけだけど、日本語字幕では「また彼に会えた」と出るが、原語は「Thanks for bringing him back to me.(彼を私のもとへ返してくれてありがとう)」。
トレバーの腕時計と共に、あの村で撮った写真はダイアナの大切な大切な思い出だったんだろうと思う。BvSでその画像をダイアナに送ったブルースが、今度は原板を見つけ出してダイアナに送ってくるという気遣いがジーンと来たし、メッセージが「いつか話を聞かせてくれ(One day you may tell me the story.※うろ覚え)」なんていう遠回しな文面で、チームを大事にするブルースの不器用さが伝わってきてブリッジしそう。