初コミコン記録⑧(コミコン最終日:心臓が口から出て戻ってきた編)

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雪が止み、3日目がやってきた。最終日だ。

今日はCさんも加えた4人全員がヘンリーのVIPチケットを取っている。私とAさん、Bさんはそれぞれジェイソン・モモアさんの一般フォトオプチケット、Cさんはヘンリーの一般フォトオプチケットも。

昨日で諸々のスケジュールがあてにならないとわかった上、今日は昨日より開催時間が短い。時間との勝負である。

今日は全体的に、オートグラフが先、フォトオプが後に設定されていた。

オートグラフの前にヘンリー主催の宝探しに奔走。ニアミスが複数回あったものの、結局ゲットすることはできなかった。

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宝探しゲームとは関係なく撮ったこれらの場所に宝が隠されていることもあった。悔しいー。

 

さて、以降、コミコン覚え書きメモを元に書いていく。

3日目の記事で今さら感だが、コミコンは複数人で行くと楽しさが倍増すると思う。オートグラフやフォトオプに並ぶ時に友達と一緒だと緊張が解れるしテンションが上がる。そして、友達と俳優さんが触れ合ってるところが見れるし、自分と俳優さんが触れ合ってるところを誰かしらに見ていてもらえる。憧れの俳優さんを目の前にしたらほぼほぼ記憶が飛ぶ(私もそんなまさか記憶が飛ぶなんて、と思っていたが飛んだ)ので、客観的な目はとてもありがたい。いいことづくめ。 

12:45、ヘンリーのVIPオートグラフに皆で待機。Cさん→Aさん→Bさん→私の順で並ぶ。スタジアムの客席部分で待っていると、ヘンリーのオートグラフブースの隣のオートグラフブースにモモアさんの姿が見えてにわかに盛り上がる。

その後、ヘンリーのオートグラフが迫ると、どこからともなく歓声が。皆が1つの方向を向いているので、エッ?と思って同じ方向に顔を動かすと、ヘンリーのオートグラフブースのカーテンの端からヘンリーその人が!!…エッ?カーテンから半身だけ出てる!!皆がワァ…!!と盛り上がり始めたのを見たヘンリー、唇に人差し指を当ててシーッのポーズ。皆がアッと思って一瞬口を噤むと、次に両手を広げて手のひらを上にして盛り上がれ、のポーズ。皆がウォォオ!?と盛り上がりかけた瞬間にスッとカーテンの中に消え、皆がウォ…オオ…?となった。何だったのかわからなかったけどとても楽しかった。

そしていよいよオートグラフが始まる。CさんとBさんと私はオートグラフ中にプレゼントを渡す予定だった。

Cさんはサイン中、ヘンリーにお手紙を渡して少しお喋りしていた。友達がヘンリーとお喋りしてる姿を見られるって新鮮で良い(いや前日に会ったばかりなんだけどもう友達扱いです)。Aさんは少し緊張してしまったのか、さらっとサインをもらって終わった。Bさん、サインの後にカルくん(ヘンリーの愛犬。Instagramにもたびたび登場するのでぜひご覧ください)の絵を描いた色紙をヘンリーにプレゼントしたら、ヘンリーがひと目見て喜んで、ハァア…!ってなってた。良いものを見ました、ありがとう。

そして私の番だが、ヘンリーのInstagramで最近グレイシー柔術のトレーニングのことを投稿していたので、日本の柔道着を作っている会社が販売している柔道着の生地でできたトートバッグを用意していた。→(Obi Tote Bag オビトート

これがまぁまぁでかい(ヘンリーにはちっちゃいだろうなとは思ったけど)。あと、神保町に出かけた時に見つけた昔のスーパーマンの映画パンフも2冊(でもヘンリーはスーパーマンを演じるにあたって前のスーパーマン映画を観ていないことを後で知った。やっちまった)。

アンクルのパンフにサインしてもらった後、「I have something for you. May I show you?(プレゼントがあるんだけど、見せていい?)」と訊くとン?というか顔をしてyesと言ってくれたのでバッグを見せ、「このバッグは柔道着で作られています」と辛うじて言い、「websiteに英語のページがないから翻訳した」とも辛うじて言った(気がする)。ヘンリーはたどたどしい英語とちゃんと目を見て聴いてくれた。

そして2つめのプレゼントを渡そうとしたあたりで時間オーバー。スタッフに剥がされた。手紙も渡した気がするけど記憶がない。ヘンリー宛にしたから大丈夫だとは思うけど、どっかに落ちてなければいいけど。(↓用意したプレゼント)

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ここでAさん、Bさん、私の3人はモモアさんのフォトオプに行くためCさんと一旦別れた。

しかしフォトオプブースに行ったら、モモアさんのオートグラフ終了が遅れている関係で、先にヘンリーのVIPフォトオプやるよ!とアナウンス。ヘンリーのVIPフォトオプはCさんも撮るのに!フザケンナーーーとなりながらCさんにLINEしまくり、既読つかない!と焦りながらとりあえず入場。その後Cさん合流してひと安心。しかし今度はそのヘンリーVIPの列が一向に進まず、スタッフがモモアさんのフォトオプの人いる?と訊いてくる。ハイ!ハイハイ!と手をあげると、今度はヘンリーは遅れててモモアさんが先に来るから列移って、とのこと。スタッフは私たちの集団を見てWさんだけが残るのに気付き、「友達にここのスポット取っておいてもらって、あなたたち向こう行って」と言うのでCさんに後を託しモモアさんフォトオプ列へ。

待っている間、昨夜から考えていたモモアさんとのフォトオプの時のポーズを皆で確認した。私とAさんは一緒に撮るので、モモアさんの両方の二の腕につかまりたいね、という話になり、Aさんが「Could you make this pose?(このポーズ取ってくれますか?」と言って両腕を上げたポーズをお願いすることに。Bさんはヘッドロックしてくれ(!)という英語をひたすら練習していた。ちなみに私たちの後ろに並んでた女性がアクアマンのコスプレしてて、めっちゃ背高くてカッコよかったけど槍がBさんにザクザク当たってたらしい。

モモアさんがフォトオプブースの後ろに入るのが見えたらしく歓声が上がる。でも誰かが「ジャケット着てない?」と言うので私たちが辿り着くまで脱いでほしいと願う。直に二の腕に触りたい一心。

モモアさんのフォトオプ、めっちゃサクサク進む。早い早い!早いよ!あっという間に順番。

モモアさん、途中でレザージャケット脱いだっぽい!ラッキー!

で、でかいけどやっぱ顔ちっさいな?190越えとは聞いていたし近付くと大きいんだけど、何だろう、スタイルが良すぎて大きさを感じない。でも大きい。

前の人とは両肩を抱く感じで撮ったので、モモアさん、私とNさんにも両腕を広げて迎えてくれようとしたんだけど、Nさんが両腕を上げたポーズして、と言うとオーケー!となってポーズ取ってくれたのでモモアさんの二の腕に2人でつかまる。私はちょっと本気で体重かけた。1ミリくらい浮いた。けどAさんは(後から終わって写真見たら)可愛く片足を上げたポーズを取っていたらしく、撮影後2人そろってブースから出されワーッと出て行った時Aさんが「足つった!」と叫び私は「ウソでしょ?!」と声を上げた。めっちゃ笑った。

そのあとBさんは無事(?)ヘッドロックされ、ブース内が笑いに包まれたらしい。後で写真を見せてもらったけど最高に楽しい写真だった。アイデア大事。

で、この時点でモモアさんとの写真は後で取りに行くとしてまず待機列内に戻らなければならない。3人で、待機列に入るための待機列(ぎゅうぎゅう)に突っ込み、進めなくなったところで先頭のCさんに周りの人たちが「どこに行きたいの?」と訊いてくれて、ヘンリーカヴィルVIP!って言ったら別の入口を教えてくれた。ちょっと脇に逸れるだけで荷物検査のところに辿り着いた。

ヘンリーVIP待機列に戻る。モモアさんのフォトオプ感想など言いながら待った(と思う)。

ヘンリーVIPフォトオプ、Cさん、Aさん、私、Cさんの順番で行った。

Aさんはカルくん(ヘンリーの愛犬)の絵を描いたクッションを持ってきており、それと一緒にヘンリーと写真を撮りたい&プレゼントとして渡したいが、フォトオプは秒の勝負なのでヘンリーに渡せなかったらどうしよう…と不安がっていたから、もし渡せなかったら私とCさんで(渡して!!渡して!!)って言おうねと話していた。

で、私はといえば、ヘンリーの横顔が好きなので、なんとかして横を向いた写真を撮ってほしいな~と思っていた。普通にやると正面の写真ばかりなので。しかし問題はそれを英語で伝えられるかどうかである。

まずCさん。CさんはヘンリーのVIPとGAフォトオプチケットがあったので2枚連続で。最初ハグ写真、次はヘンリーに片手を挙げてもらうスーパーマンポーズで。でもヘンリー、挙げた手が顔にかぶってたかCさんと角度合わなかったかで、カメラマンに「ちょっと上げて(下げて)」と言われる。Oh!って言って手の位置直したのがかわいかった。

続いてAさん。まずAさんからクッションを渡されたヘンリー、クッションに描かれたカルくんを見てパァッと明るくなった。そしてAさんとパシャリ。そのあとAさんがヘンリーから離れる時、アッ…と私たちの誰もが思った瞬間にAさんがヘンリーにクッションを渡すと、ヘンリーの顔がパァァ…!と笑顔になった。グッジョブ!!Aさん!!後で見せてもらった写真、カルくんクッションを持って写るヘンリーの笑顔が柔らかくて、皆で幸せになった。

そして私である。ハーイ、と言ってくれたと思う(思う)。何とか横を向いた写真を撮影してもらうため、カメラに対して横を向いて「Could see my eyes?(私の目を見てくれますか?)」と言うとヘンリーがウン?みたいになって私の目を見てくれた(しぬ)。そのままシャッター切って欲しかったがなかなかストロボ焚かれない。どうやら目線をカメラにやらないとシャッター切れないルールらしい。スタッフが何やら大声で言っていて、ヘンリーがカメラの方を気にする。私、英語がうまく出てこない。「Don’t look into a camera.(カメラは見ないで)」は言えたかどうかわからない。でも身振り手振りで「I love your side face.(あなたの横顔が好きなの)」って言ったらニッコリ笑ってくれたから、ヘンリーが身体の前で組んだ手に自分の手を乗っけた。多分それでもまだスタッフが何かしら叫んでたので、私はGo ahead!とスタッフに言った。

そしてパシャリ。

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それで撮れた横顔写真がこちら。

スタッフの大声が飛び交う中で撮られたとは思えないくらい穏やかな笑顔。

思い返すと、ヘンリー、こちらが何か言いたそうにしてると、トチっても周りが何か言ってきてもじっと待っててくれた。そんで理解するとリアクションくれて、笑ってくれて、本当にいい人。その一瞬だけは自分にだけ笑ってくれたんだよなぁと思うと心があったかくなる。

私の後ろに並んでいたBさんによれば、私がフォトオプの時トチっていて周りのスタッフが何か言ってる中、ヘンリーはトチりまくってる私の話をウンウンと聞いてくれていたそうだ。そしてニッコリ笑ってくれた。その笑顔につられて、写真では私もニッコリ笑ってるのだ(そこはトリミングしてるけど)。ああ、つくづくいい人。

 

さて、ここまでが”心臓が口から出た”部分。この後すぐに心臓が口に吸い込まれる事態になる。すべてのオートグラフ&フォトオプが終わって、次はジャスティスリーグのキャストによるパネル。

私たち4人はヘンリーのVIPチケットを取っていたので、本来ならパネルにVIP席が用意されているはずだった。けれど、指定された場所で待っていてもいつまで経っても案内されず、パネルの客席の前部分は既に人で埋まっている。

嫌な予感。スーツを着たスタッフらしき人が来て、並んでいる人たちに

「君たち何で並んでるの?」

と訊く始末。えええー。

館内放送で1度だけ「パネル客席前方に座っている人は移動してください」みたいなアナウンスがあったけど、動くわけない。

そしたらスタッフの男性が並んでいる人たちの真ん中辺りに立って、突然に「俺に付いてきて」と言い出し、並んだ列がぐちゃぐちゃにスタッフに付いていくことになり、私たちの不信感が高まる。どこを見ても良い席はもうない。

案内された先はパネルに向かって右端の後ろ側の席だった。多少ステージに近いだろうけど、そこから見てキャストたちは縦に並んでいる上、スクリーンがまるで見えない。

私たちは案内された席には座らず正面から見える場所に立って見ることにした。VIPチケットは一般入場より100ドル以上高く、それにはパネルで前列に座れることも含まれているはずだった。これはいくら何でもひどい。

とはいえキャストたちは既にステージに上がり、パネルは始まっていた。モモアさんに関しては他のキャストが来るまで15分ほど1人でステージに上がり、文字通り場をつないでいた。私たちはパネルを純粋に楽しむことにした。

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すごくアットホームであったかいパネルだった。ジャスティスリーグのキャストたちの関係(家族みたい)や、役への取り組み方などが話されていて、観客を交えて盛り上がった。普段YouTubeで観る動画って本当にこんななんだな…とまだどこか現実感がなかった。(この時のパネル、どこかに動画が転がっていたのでいつかちゃんと訳したい)

 

はぁー。終わった。

私たちのコミコンが終わりました。

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4人で夕食を囲み、ヘンリー談義に花を咲かせる。感想を言い合えることも、友達とコミコンに行く醍醐味だと思う。

Cさん、飛行機の時間が迫って夕食の途中でお別れ。つくづく、コミコンのためだけに渡米とは、真の猛者(私たちのことは棚に上げておく)。

 

さて、今回でコミコンレポは終わるが、旅程はあと2日あるのでもうしばらくお付き合いいただきたい。明日はマンハッタン移動だ。 

 

 

初コミコン記録⑦(コミコン2日目:推しの実在を確認編)

前回は極寒での行列の記憶が強すぎて書いていなかったが、ヘンリー主催の宝探しゲーム”Scavenger Hunt”は1日目からスタートしていた。

1日目、皆が外で並ぶことを見越していたかのように、アメコミアーティストが描いた絵をビニールに入れてスタジアムの周りのポイントに置き、ヒントをInstagramのストーリー(24時間以内に消える動画)で教えるという、まさにデジタル世代の寵児みたいなアトラクション。

Instagramストーリーには絵をゲットするためのヒントと合言葉が映し出され、3秒くらいしか流れないその動画(ストーリーは一時停止ができない)を速攻でスクショする。あとは走る。走る。走る。走る。

1日目は4枚ほど出ただろうか。今思えば1日目がライバルの数は最も少なかったかもしれない。

そして2日目がやってきた。ここから記憶が一気に曖昧になるので、帰国直後に書いたメモを元に記していきたい。

 

*****

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まさかの雪。

昨日の下見の結果、お昼は会場内で買えないことを見越して、Uberの前に近くのサブウェイへ。ヒゲを三角に生やした店員がワンオペで回してた(朝早いのでそもそも客がゼロ)。

注文し、その間にトイレに行こうとしたら鍵を渡される。開いたが鍵が抜けない。そのまま用を足して出るが、鍵が抜けない。三角ヒゲ店員が「そのままでいい」と言うので会計まで済ませる。その後に店員が四苦八苦して鍵を抜く。拍手喝采。

(※余談だが、アメリカの一般的なカフェなどではトイレが利用できるが、物理的な鍵が必要か、買い物をした時のレシートに書かれている暗証番号を入力しなければならないトイレが多い)

 

Uberを呼ぶ。9時半過ぎにスタジアムに着く。一般参加(General Admission)の列ができていたがVIPのドアから入れる。ありがたい。

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今日はヘンリー主催の宝探しをしつつ、時間が来たらそれぞれのフォトオプに散る。このフォトオプがまたトリッキーで、事前に出たスケジュール通りに行くことはほぼない。

例えばヘンリーのフォトオプが12時から、というスケジュールが事前に出されていたとする。これはVIPチケットを買った人の時間であり、一般チケットを買った人はVIPの後になるので、必然的にVIP列の進み具合で時間が変わってくる。更にそこにオートグラフのスケジュールも絡んでくる。結果、時間との戦いとなる。

この日の3人のフォトオプ&オートグラフの予定。

3人全員→ヘンリーの一般フォトオプ、私→ヘンリーの一般オートグラフ、AさんとBさん→それぞれチャーリー・コックス(Netflixドラマ「デアデビル」の主演俳優)&ジョン・バーンサルのペア一般フォトオプ、AさんとBさん2人→(コミコンのフォトオプは1枚のチケットで大人2人まで一緒に写れる)チャーリー・コックスさんの一般フォトオプおよびエズラくんの一般フォトオプのチケット、Aさん→チャーリーさんの一般オートグラフ。

ここで問題になってくるのがAさんとBさんの取ったチャーリー・コックス&ジョン・バーンサルのペアフォトオプだった。エースコミコン運営は、バーンサルさんが参加キャンセルとなった後、すぐさま「デアデビル」の出演女優エロディ・ユンさん(エレクトラ役)の参加を発表。バーンサルさんの抜けた穴をできる限り彼女が埋めることになった。つまりチャーリーさん&バーンサルさんのペアチケットは、自動的にチャーリーさん&エロディさんのペアチケットに移行されることが購入者にメールで知らされた。一方で、購入者はそのチケットを払い戻しできる旨もメールに書かれていた。AさんとBさんは払い戻しを考えたが、しかしメールには払い戻しの手順が書かれていない。

チケット払い戻しの詳細を訊くため、皆でRedemptionというコーナーへ行った。長机の前に長蛇の列ができていて様子を伺うと、どうやらフォトオプやオートグラフのチケットをそこで引き換えるらしいことに気付いた。Redemptionとはそもそもチケット引換を表していたのだった。どちらにしろ並ばなければならなかったわけだ。

チケット払い戻しについて言うと、私の力及ばず、できなかった。どういう順序かわからないが払い戻しはインターネットでやらなければならず、チケットの引換もした後だったのがまずかった(払い戻しについて訊く前に引換をしてしまった)。どれだけ食い下がっても会場では不可能だった。しかも他のチケットとペアフォトオプチケットを発行してしまっていたので、なおさら払い戻しは難しくなった。AさんとBさんは結局チャーリーさん&エロディさんのペアフォトオプをやることにした。申し訳なく思ったが、Aさんのデアデビルコンビとの写真が最高に素晴らしくて、救われた気がした。(Aさんの後にデアデビルコンビとの写真を撮ったBさんが、チャーリーさんに「彼女は君の友達?彼女、とってもラブリーだね!」と言われた話は何度聞いても幸せになる)

フォトオプが始まり、AさんとBさんとはチャーリーさん&エロディさんのペアフォトオプとチャーリーさんフォトオプのため別れ、私は単独行動をした。スタッフ探しである。

この日、エズラくんがファンタビ追撮のためコミコン参加が2日間から1日だけに減ることが発表され、そのため2日分のフォトオプとオートグラフが全部今日だけに詰め込まれることになったのだが、更に3日目(最終日)に行われるはずのジャスティス・リーグのパネルが2日目にずれるという噂をBさんが耳にしたという。しかしBさんにも詳細はわからないとのことなので、私は真偽を確かめるためインフォメーションと掲げるコーナーのボランティアスタッフに訊いた。すると彼は、たいそう愛想よく

「ここにイベントスケジュールがあるだろ?僕はここに書いてあること以外はなーーーんにも知らないよ☆」

と言った。オメー役立たずのくせして何でそんな明るいんだ。私が「じゃあ誰に訊けばいいっての?」と尋ねると、「ボランティアスタッフはダメだね。ブレザーを着た人がいいよ」私「IDぶら下げてる人?」スタッフ「そうそう!Tシャツ着てるやつはダメ!」オメーが着てるTシャツのことかよ。

私は信用できるスタッフ探しの旅に出た。

結論から言うと、オートグラフのブース辺りにいるネイビー(だったかグレーだったか)のブレザーを着たスタッフが大層親切な上に信用できた。1人のスタッフにパネルの変更はあるか尋ねると、わからないと言いつつその場にいた他のスタッフに訊いてくれ、更に彼曰く「このイベントの全てを知っている人」を捕まえて訊いてくれた。ジャスティスリーグのパネルに変更はなかった。

このコミコンで最も難しかったのが、情報の真贋を見極めることだった。

 

情報収集をしているうちに、AさんBさんがフォトオプを終え、Aさんがチャーリーさんオートグラフに行き、私はBさんと合流した。ヘンリーのフォトオプの時間まで、休憩所(だだっ広いスペースにテーブルと椅子を無数に置いただけの場所)で休憩。

時間が迫ると、信じられないくらい緊張してきて休憩所で半分ほどサンドイッチを食べる。口がカラカラで水を飲んでもすぐ渇く。

フォトオプブースは荷物検査が必要であり、待機列のスペースも限られているので、待機列に入れるかどうかはブース前のちっちゃいモニタにこれまたちっちゃい字で書かれる「俳優名/時間/VIPか一般参加/待機列番号」を見て判断する。

フォトオプブースに入場し、並んでる間に遅れていたエズラくんが来て周りが盛り上がる。私もフォトオプブースの中に入ろうとするエズラくんが見えた!!わー。

Aさん合流。ヘンリーの一般フォトオプ列に並ぶ。

ブースの中にいるヘンリーの姿が見えた瞬間、何も考えられなくなる。

 

えっいる?ホログラムでは?顔ちっさ、なのに背たかっ えっもう次の次?私の前でド緊張しているAさんの背中をスタッフさんと共に撫でる。Aさんが行く。

あっ実体だわ。えっ次?えっもう行くの?

えっ 近、

 

目の前、

わ、綺麗 

 

笑顔 

あ、ハロー(ハーイ!って笑顔で言ってくれた気がする)→ハグ(ほのかないい匂い)でめっちゃ手伸ばしたらヘンリーの腰の向こうで自分の両手が合わさった。腰回りがフニっとした。

 

(えっ…?)

 

この時頬にヘンリーの胸が当たっていたはずなのに記憶がない。ただ人生で最高の笑顔はしてたと思う。

 

パシャ!サンキュー! 

 

…えっ…?

 

え?

 

え…

 

いま私、推しに会いました? 

ハグしましたね?

 

フォトオプブースから3人揃って出たが、皆放心していたし、Bさんは感涙していた(ほんとに泣いてた)。

放心しながら、エズラくんのフォトオプに行くAさんBさんと別れ、プリントされた写真を取りに行きデジタルダウンロードの手続きをして、休憩所で1人に座った。
引き続き放心しつつツイートした。

 

 

 ツイートの合間にサンドイッチを食べた。動揺しすぎて、ツーショット写真が見られない。とりあえずデジタルダウンロードはしておいた。
ファーストコンタクトはヤバかった。

 

1人でヘンリーの一般参加オートグラフに並ぶ。オートグラフも緊張するけど、日本から持って来たプレゼントが渡せるかどうかヘンリーの近くにいるスタッフに訊かなければならないので緊張が倍だった。

ヘンリーのエージェントの女性を見かけたけど、訊ける場所にいなかった。緊張を紛らわせなくなりスタッフの人に言って1度トイレに行った。英語話せてよかったと心底思った。

オートグラフが始まる頃になってふと思い立って、ノートに「Could you write my name in Japanese? “ふみ”」と書いてひらがなで名前を書いた。

オートグラフがVIPから始まる。結構早い。

 

わ、わー、いる。

マンオブスティールのパンフを持って行く。フォトオプの時より机1個挟んでるぶんより見上げてる気がする。

ハーイ、と言ってパンフとメモを出しながら、口頭でも「Could you write my name in Japanese?」と言った。

ヘンリー「(ふみ、の字を見ながら)…What’s this? “B”?」

ワイ「This is my name in Japanese.(とか何とか言った気がする)」

ヘンリー「Okay...」

暗めの色のパンフに書こうとして、ネイビーのペンを持っていたことに気づいたヘンリー、最初シルバーのペンを持ったけどゴールドに変えて日本語に挑む。

ふの2画めから書き出したと思う。みは書き順通りだけど、最後の交差するところで書き足す感じ。すごく上手。

ワイ「Perfect! サンキュー」

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(全国の「ふみ」さんに届け)
 

最後に握手した。ヘンリーがなんか言ってたかは覚えてない。ただ握手した手があったかくてふわっと柔らかくて、なおかつ私の手を全部包むくらい大きかった。

オートグラフ後、その辺りにいるスタッフに口がカラッカラの状態で「I have a Henry Cavill’s VIP tomorrow. May I give him some gift directly?(明日のヘンリーのVIPチケットを持ってるんだけど、彼にプレゼントを直接渡せるかな?」(多分なんどもトチった)と訊くと「Yes.」と返ってくる。エッそんなあっさり?ワイ「I mean face to face.(対面でって意味だけど)」スタッフ「Yes.」ワイ「Directly?(直接?)」スタッフ「Yes.」
しつこいな自分。でもそれでプレゼントが渡せることが分かる。

 

ふらふらとオートグラフブースから離れ、AさんとBさんに酸素薄い感じのLINE送る。しかし脳みそに酸素が足りなかったのか、2人のメッセージを全然読めていなかった。(参照:再現画像)

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頭がアホになったまま呆然と2人と合流する。
いろいろヤバかったこととプレゼントを渡せるらしいこととかを伝え、ひと息つく。

 


さて、私たちにとっての2日目が終わった。夕方6時くらいだった気がするが、疲労困憊だった。

この日の夕食はAさんのお友達、Cさんとご一緒することになっていた。Cさんはヨーロッパにお住まいなのだが、ヘンリーのために大西洋を横断して1泊2日でコミコン3日目のみに参加しようという猛者だ(それを言ったら太平洋を横断した私たちは?という話は置いておこう)。

3人でCさんが滞在するホテルに向かい、ロビーで初めましての挨拶をし、挨拶もそこそこにホテルのレストランで夕食。Cさんも言うまでもなくヘンリーファンで、ヘンリー談義に花が咲いた。趣味は人の縁を繋ぐなぁとしみじみ思った。

ゆっくりと夕食を楽しみ、Uberでホテルへ帰った。

 

明日は最終日。

プレゼントは渡せるだろうか?フォトオプはどうしよう?と考えると、当然のことながらよく眠れなかった。

 

 

 

2018年

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私事ではあるが、昨年母方の祖父と父方の祖母が亡くなった。まるで平成の終わりを見たくないとでも言うように立て続けに。当然両親は喪中である。しかし父は次男だし母は嫁いだ身なので、その2人の娘である私は喪中であるべきか否か悩んでいるうちに、家人宛てに次々と喪中はがきが届き、我が家は寒中見舞いを出すこととした。

ということで今年は帰省もしない。地元で過ごした年月より地元の外で過ごした年月の方が長いにも関わらず、生まれて初めて東京で年末年始を迎えた。曇り空も雪も、少し鬱陶しい親戚の集まりもない、不思議な正月。

月日は否応なしに積み上がっていくのだなぁとしみじみ感じた昨年だった。

父母を大事にし、姉家族に適度に逢い、後悔なく、それなりに幸せな1年でありますように。

 

さて、年頭にあたり今年の目標を。

・週に1回は泳ぐor運動する。毎日ストレッチする。

・仕事の単価を上げる努力をするor仕事を習慣化できるようにする。

・海外旅行に行きたい。

 

今年もよろしくお願いします。(次回こそコミコンレポ書く)

 

 

英語、エイゴ、eigo

 

 

いつものようにボヘーっとツイッターを見ていたら、フォロワーさんが「英文をどう読み解くか」を自己流で説明されていて、私は愕然とした。

上に呟いたように、私は完全にフィーリングで英語をやってきたつもりでいた。

しかしそんなことはない。そんなことはあるはずがない。フィーリングでわかるのは母語だけだ。母語すら小中高大で改めて習うものを、私は何を勘違いしていたのか。

とんでもないアホだな~と我ながら驚いた。

驚いたついでにブログ書いてる。ツイッターだとフォロワーさんのTLをスレッドで埋め尽くす暴挙に出そうだったから。

 

で、本題。

英語をどう読んでいるか。私のぼんやりした読解の仕方を以下に記そうと思う。あくまで私のやり方であり考え方なので、「それ違うよ」と言うご意見ごもっとも。これは私がいかに自分の英語力がぼんやりしたものかを思い知るためでもある。

まず英文を見るとする。何でもいい。で、英文の構造をまず見る。中学で英語の文法を勉強した時、SVOとかSVOCとかSVCCとか習わなかっただろうか。

これらが英文の部品だ。

ざっくり言うと、

S=Subject(主語)

V=Verb(動詞)

O=Object(目的語)

C=Complement(補語)

英文はだいたいこの部品で構成されている。

で、ここで頭に入れておくのが、日本語との語順の違い。

上に書いたみたいに、英語の並びは主語+動詞+目的語(および/あるいは補語)。

"He is my friend."という文を日本語に訳すと

「彼は私の友達だ」となる。

日本語は英語と違い、主語+補語+動詞の語順。

 

どんな英文でも、基本的には主語から始まる。主語の意味がわかればその文の主役が何なのか(誰なのか)がわかる。

次に動詞あるいは助動詞(そして過去現在未来=時制)がわかれば主役の状態がわかる。

そして目的語、補語で主役が「どう」するのかor「どう」されるのか、あるいは「何」なのかがわかる。

 

文の構造がそんなもんかとわかったら、単語の意味だ。言語は語彙力が大切とは言うけれど、英文を読んでいる時、必ずわからない単語は出てくる。

これは私が留学時代に教わったことだが、わからない英文はわからないなりに最後まで読んでみる。基本的には、頭からダーッと読む。日本語と語順が違う部分も入れ替えず、そのままダーッと。いくつかわかる単語があったら、その単語の前後の文脈からわからない単語の意味を推測する。そうするとぼんやりとわかってくる。

「単語がわからないと意味もわからないのでは?」と思われるかもしれないが、今はネットで英単語の意味をササッと調べられるので、語順と単語がわかれば英文の意味はだいたい把握できる、と思う。

 

参考にもならない感じのメモ書きで心苦しいが、多分これが英語を読んでいる時(聞いている時)私の脳内で起きていることだ。

しかし今自分で書いていて何より恐ろしいのが、日本の中高大で習った英語のさまざまな構造に関する用語や知識が、留学時代に英語で英語を習った時の文法の授業で習った記憶に上書きされた結果、忘却の彼方に行ってしまったことである。

今さらながら怖い。

 

 

「中の人」に会うことについて

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ジャスティス・リーグを映画館で3回観た。3回めは今さっき観終わったところだ。

私が観に行ける範囲のシネコンで、私が観に行ける時間帯の上映は今週が最後のような気がして、何かに駆り立てられるように観た。

同じ映画を複数回観ることに理解を求めようとしているのではない。

今月の始めのコミコンで、確かに私は映画の中の人(ベン・アフレックを除くジャスティス・リーグの主要キャスト5人:ヘンリー・カヴィルガル・ガドットジェイソン・モモアレイ・フィッシャーエズラ・ミラー)を肉眼で見たのだ。

しかし、映画で観る彼らの姿の現実味に対し、私が体験した現実の非現実味がいや増した。いつもスクリーンやテレビやPCやスマホの向こうにいるのが当然の人たちを、眼鏡越しとは言え肉眼で捉えた時に、私の脳みそが処理落ちしたのではないかと思うほどに現実味がなかった。

こんな体験はしたことがない。世界のどこへ行ってもこんな体験はしたことがなかった。旅行へ行けば行った土地のことがそれなりにわかるはずだ。歩いて、見渡して、呼吸をして、自分をその場に置く。そうして帰国してから映画やテレビなどでその場所が映れば、ああ、あの場所だ、とわかる。その時一瞬だけ、自己の認識とスクリーンやモニタの向こうが繋がる。

けれど今振り返ってみても、コミコンで隣に立って写真を撮った人がスクリーンの中の人と同一人物であるという認識ができていない。

あの時コミコンに一緒に行った方々に「あれは現実でしたか?」と、機会があれば私は何度でも訊いてしまいそうな気がする(そうしないように気をつける)。

コミコンのフォトオプやオートグラフのレポは近々書くけれど、コミコン後初めてジャスティス・リーグを観て感じたことを書き留めておきたかった。

 

いや、まだちょっと信じられないわ…。

 

 

初コミコン記録⑥(ACEコミコン1日目:運営大丈夫か編)

(※長文なのでおヒマな時にどうぞ)

 

前述した通り、コミコンは金土日の3日間行われ、初日が始まるのは午後4時からである。

Aさん、Bさん、そして私はヘンリーのVIPチケット(フォトオプ&オートグラフは日曜日)を取っていた。VIPチケットには3日分の入場券が含まれているので、まずネット経由で買ったeチケットを引き換えなければならない。

私たちの本番は実質2日目からだが、会場の下見もしておきたいし、チケット引き換えがてら行ってみることにした。

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会場はNassau Veterans Memorial Coliseum

全天候型のスタジアムで、NBA(バスケットボール)のLond Island Netsのホームだ。

写真を見てもわかる通り、とても大きい。Uberのドライバーにスタジアム近くで降ろしてもらったが、入口までずいぶん歩いた。そしてようやく入口と思われる所まで近付いていって、私たちは嫌な予感を抱く。スタジアムに着いたのは午後4時ぴったりだったが、既に長い行列が出来ていた。写真の真ん中を横切る黒い線のすべてが人である。

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列は2本出来ており、スタッフらしき人が「こっちはVIP、こっちは一般入場」と案内している。私たちは当然VIPの列に並んだが、これが一向に進まない。なぜか一般入場の列はどんどん進むのに、VIPの方は30分に数歩進むくらいだった。

列に並ぶ人たちはだんだん苛立って来ていた。

午後4時半過ぎには日が沈んで辺りは真っ暗になった。そしてこの日の気温は、iPhoneによれば3℃くらいだったが、遮るものの何もない吹きっさらしで、しかも風が強かった。

私たちは2日目からがメインくらいの気持ちでいたが、WWEのレスラーとのフォトオプやオートグラフは1日目だけのイベントであり、それを目当てに来た人が多かったに違いない。実際、一緒に写真を撮ろうとチャンピオンベルトを小道具に持ってきたり、思い思いにコスプレをしていたりする人たちが、大した厚着もせず吹きっさらしの冬空の下で並んでいた。

彼らに非はない。車移動が中心の生活をしていれば、自然に薄着になるのはやむを得ない。暖かい場所から暖かい車内に乗り込み、そのままさっと外を歩いて再び暖かい屋内へという流れなら、分厚いジャケットやコートは却って邪魔になるからだ。

私たち3人は、とりあえずは皆ダウンコートを着てきていた。というか20時間ほど前に日本から飛行機に乗った時とほぼ変わらない格好だ(少なくとも私は)。薄着ではなかったが、体感気温0℃の中でじっとして待つことを想定してはいなかった。

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コミコンは主催者側の運営の問題が云々、と聞いたことはあるけれど、まさか海外でこんなことになろうとは。あまりに寒いので時々手分けして列の前に行き状況を確かめたりしていたが、そのうち私たちの少し前で並んでいた人たち(男性グループだったと思う)が騒ぎ出した。英語で断続的に運営に対して不満を言い始めた。その声がすごく大きくて、周りに聞こえるように話しているような感じだった。そのうちグループのうちの1人が前に行き、戻ってきて何やら大声で叫ぶと、私たちの周りの数十人が一気に列から離れ前へ走り出した。私たちは状況がつかめなかったのでその場に留まり、結果的に少し列が進んだが、しばらくすると前に走っていった集団が戻ってきて私たちの後ろに並んだ。

つまり男性グループの1人が何を言ったのであれ、デマだったのだろう。

人を煽るというのはこういうことなのか、と身を持って知った気がした。抑圧された状況下で誰か大きな声で「こっちに来た方がいい」などと叫べば、何人かはついて行ってしまう。

私たちも理不尽な思いは感じていたが、周りの人たちの怒りがあまりに激しいので、却って冷静になっていた。

私は状況を知りたくてAさんとBさんを列に残し先頭まで歩いて行った。VIPの列の先頭のその先にガラス扉があり、金属探知機のゲートと荷物検査のためのテーブル、そしてその右奥にやはり長いテーブルの中で大量の段ボール箱に囲まれ右往左往する数人のスタッフが見えた。段ボール箱には各俳優の顔写真がプリントされたネックストラップ付きのVIPカードが乱雑に積み上がり、別の箱にはノベルティのトートバッグがやはりぐちゃぐちゃに入っていた。長テーブルを境に入場した人たちがeチケットをプリントアウトした紙を握りしめ、幾重にも重なって我先にVIPカードをもらおうとしていた。そこに列も何もなく、文字通り殺到していた。

私は列が進まない理由を知った。私の隣に、やはり列に並んでいたらしいアジア系男性が同じように覗きに来ていた。「どうなってんの?」と彼は私に訊いた。私は中を指差して「スタッフが足りてないみたい。めちゃくちゃだよ」と答えた。彼は同じように覗き込み「あー、ダメだねこんなんじゃ」と首をすくめた。苦笑いしながら言葉を交わして、私は少し気が楽になった。少なくとも一緒に、冷静にしかし呆れつつ屋内の惨状を眺められる名前も知らない同志がいたからだった。

私は列に戻ってAさんとBさんに状況を説明した。結論としては、待つという選択肢しかなかった。その時点で1時間半は経っていたと思う。

一般入場の列はほぼなくなっていた。

そうしてまた前の方が騒がしくなり、またデマかなぁなどと思いながら私が偵察に出た(言及が遅れたが、今回私は英語担当なのだ)。

www.youtube.com(映像は、あちこちで口々に不満を言う人々が出始め少し場が緊迫した時の様子)

 

一般入場の列のドア近くに、ボランティアと書かれたTシャツを着た複数の男女スタッフが立っていた。口々に怒鳴る人たちの声が断続的に聞こえてきた。複数人が彼らに詰め寄り、状況の説明を求めている。しかしスタッフも明らかに戸惑っていて、突然とんでもない大声で「いいからみんな聞いて!」なんて叫び出すスタッフもいた。確実に逆効果で、そのスタッフに「聞いてとかじゃない!どうなってるのか教えて」と声を荒げる女性もいた。スタッフの方は「私にもどうなってるのかわからない」とか言ってた気がする。

私はすぐにその人に訊くのは諦め、もう少し話が通じそうなスタッフに近づいた。すると彼は、「とりあえず一般入場の入口から入れ」と言ってペラペラの紙のチケットをくれた。「友達と私はVIPチケットを買ったんだけどそれはどうすればいい?」と訊いた。すると彼は「いまVIPの列はあんなに長い。一旦一般入場で入って、後でまたVIPの列に並び直すか、もしくは明日また来てくれ」と言った。

私はAさんとBさんのもとへ戻り、話し合って一旦屋内に入ることにした。この時点で時刻は6時を回った頃だっただろうか。イベントは9時まで行われる。VIPチケットは引き換えたいが、列が短くなってからまた並び直す方が凍えるよりはましに思えた。

VIPの列を離れ、一般入場の入口で仮のチケットをもらい紙のリストバンドを付けられスタジアム内に入る。荷物検査のスタッフのお兄さんが「How’s it going?(調子どう?)」とか訊いてきた。英語の定型文みたいな挨拶で、そう訊かれても大抵はGoodとかPerfectとかポジティブな返事をするのが定石だけど、私は全力で「Freezing!!(凍えてる!!)」と答えた。それに対しては「じゃああったまってけよ!」と返ってきたので「オーケー!!」って言った。

 

何とか入れたスタジアム内は、めちゃくちゃ暖かかった。外の凍りつくような寒さが嘘のようで、数時間振りにまともに呼吸できた気がした。スタジアム内の空調は完璧で、外にいる時にはホットドリンクが欲しいと思っていたのに、しばらく歩き回ったら冷たいものが飲みたくなるくらいだった。

あの数時間は何だったのか、と思うほどだった。半ば呆然と会場に入り、まだ人の少ないアーティストアレイやグッズのブースを見つつ、その時行われていたパネルステージを覗いてみて、また呆然とした。

ステージに上がったゲスト(アメコミのアーティストさんたちなど)は、ほとんど誰もいない客席に向かって話をしていた。

これはあんまりだ。

1日目しかないフォトオプやオートグラフ目当てにVIPの列に並んだ人たちの中には、時間になっても入場できなかった人も多かったようで、後でツイッターを見たところ、運営への不満をいくつも見た。公式Facebookページにも不満のコメントが殺到したそうだが、それらのコメントは運営によって削除されたとも書いてあった(真偽のほどはわからない)。中には払い戻しを求めたツイートもあったが、果たしてそれが叶ったのかどうかもわからない。

しばらく会場内を回り、頃合いを見計らって改めてVIPの列に並んでみることにした。すると今度は、屋外と屋内で2本の列が作られていた。屋外の列がなくなったところで屋内の列が進むようになっており、寒い場所で並ぶ必要がなかっただけでずいぶん楽だった。

そしてようやくチケットを引き換えられた。ネックストラップ付きのプラスチックカードとフォトオプ、オートグラフとパネルのチケット、そしてノベルティが入ったコミコンのロゴ付きのトートバッグ。

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これを引き換えるまで長かった…。

 

チケット引き換えが終わったところで私たちは充分に疲れてしまい、ホテルへの帰路に着いた。

明日からの運営が今日よりマシでありますようにと願わずにおれなかった。

 

 

初コミコン記録⑤(JFK〜ロングアイランド編)

予定より1時間ほど早くJFK空港に着く。

入国審査は多少並んだがそれほど待たなかった。空港係員の態度が威圧的で、ああアメリカに来た、と実感した。

JFK空港からの道のりは、完全にBさんにまかせっきりだった。

まずAir Train(モノレール)に乗る。だが、この時点で乗車券等は買わない。Jamaica Stationで降り、駅構内から出る時に券売機でチャージ可能なメトロカード($21払うと自動的にAir Trainの運賃$5が引かれる)を買うか、メトロカードが不要な人は券売機の対面にあるキオスクみたいなところで現金で払う。

私たちはマンハッタン滞在予定もあったのでメトロカードを買った。

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Jamaica Stationを出たら、Long Island Rail Road(LIRR)に乗り換え。LIRRではメトロカードは使えないので、券売機でOne Way(片道)かRound Trip(往復)を選び、目的地に応じた代金を入れ、切符を購入する。 

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LIRRには改札がない。時間になったら勝手にホームに降りる。

ホームは質実剛健を具現化したみたいな感じ。

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電車に乗ってから切符が切られる。ちょっと懐かしい。

車掌の青年が切符を切りながら、「片道だね。このまま回収する?それともお土産として取っとく?」と言ってくれた。

 

そしてホテルの最寄り駅、Carle Place Stationに着く。

恐ろしいほどに何もない。無人駅。しかし確かにACEコミコンの広告がある。

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コミコン開催会場の周辺をGoogle Mapsで見た時に薄々感じていたが、駅から出て確信した。

 

この街(というか町)は、車がないと首が回らない土地だ。

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大都市を除いて、アメリカのほとんどが多分こんな感じなんだろうなと思わせる住宅街(個人の感想です)。筆者も留学時代に住んだ街はこんな感じだった。

歩いて行ける場所にコンビニ?そんなものはない。生活必需品は車で近くのモールに行き、まとめ買いして帰ってくるのだ。

 

駅からは、BさんがUberで車を呼んでくれてホテルに辿り着いた。Uberはいろんなネガティブな話も聞こえてきて少し怖く感じていたこともあったが、旅を終えた今ははっきり言える。この旅はUberなしでは不可能だった。

Bさんは西海岸を訪れたりしてUberを使った経験も多く、評価を見てドライバーを決めたり、自分もパッセンジャーとしての評価に関わるので必ずピックアップ場所で待っていることなどを徹底していて、Uber未経験者の私とAさんは助けられるばかりだった。

 

ホテルにチェックインすると、お昼前だったがもう部屋に入れた。

Aさんと私は同室、Bさんは後から部屋を押さえたので別室でそれぞれ荷ほどきをして休憩した後、ホテル周りを散策。

打ち捨てられたショッピングカートを見つけ、ウォーキングデッドだ!!ストレンジャーシングスだ!!と盛り上がる。

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スーパーマーケットなどを物色し、ランチを買ってホテルに一旦戻り、しばしの休憩ののち再びUberを手配して、コミコンが開催されるスタジアムへ向かった。

 

いよいよ(ようやく、と言おうか)怒涛の3日間が始まる。