初コミコン記録⑦(コミコン2日目:推しの実在を確認編)

前回は極寒での行列の記憶が強すぎて書いていなかったが、ヘンリー主催の宝探しゲーム”Scavenger Hunt”は1日目からスタートしていた。

1日目、皆が外で並ぶことを見越していたかのように、アメコミアーティストが描いた絵をビニールに入れてスタジアムの周りのポイントに置き、ヒントをInstagramのストーリー(24時間以内に消える動画)で教えるという、まさにデジタル世代の寵児みたいなアトラクション。

Instagramストーリーには絵をゲットするためのヒントと合言葉が映し出され、3秒くらいしか流れないその動画(ストーリーは一時停止ができない)を速攻でスクショする。あとは走る。走る。走る。走る。

1日目は4枚ほど出ただろうか。今思えば1日目がライバルの数は最も少なかったかもしれない。

そして2日目がやってきた。ここから記憶が一気に曖昧になるので、帰国直後に書いたメモを元に記していきたい。

 

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まさかの雪。

昨日の下見の結果、お昼は会場内で買えないことを見越して、Uberの前に近くのサブウェイへ。ヒゲを三角に生やした店員がワンオペで回してた(朝早いのでそもそも客がゼロ)。

注文し、その間にトイレに行こうとしたら鍵を渡される。開いたが鍵が抜けない。そのまま用を足して出るが、鍵が抜けない。三角ヒゲ店員が「そのままでいい」と言うので会計まで済ませる。その後に店員が四苦八苦して鍵を抜く。拍手喝采。

(※余談だが、アメリカの一般的なカフェなどではトイレが利用できるが、物理的な鍵が必要か、買い物をした時のレシートに書かれている暗証番号を入力しなければならないトイレが多い)

 

Uberを呼ぶ。9時半過ぎにスタジアムに着く。一般参加(General Admission)の列ができていたがVIPのドアから入れる。ありがたい。

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今日はヘンリー主催の宝探しをしつつ、時間が来たらそれぞれのフォトオプに散る。このフォトオプがまたトリッキーで、事前に出たスケジュール通りに行くことはほぼない。

例えばヘンリーのフォトオプが12時から、というスケジュールが事前に出されていたとする。これはVIPチケットを買った人の時間であり、一般チケットを買った人はVIPの後になるので、必然的にVIP列の進み具合で時間が変わってくる。更にそこにオートグラフのスケジュールも絡んでくる。結果、時間との戦いとなる。

この日の3人のフォトオプ&オートグラフの予定。

3人全員→ヘンリーの一般フォトオプ、私→ヘンリーの一般オートグラフ、AさんとBさん→それぞれチャーリー・コックス(Netflixドラマ「デアデビル」の主演俳優)&ジョン・バーンサルのペア一般フォトオプ、AさんとBさん2人→(コミコンのフォトオプは1枚のチケットで大人2人まで一緒に写れる)チャーリー・コックスさんの一般フォトオプおよびエズラくんの一般フォトオプのチケット、Aさん→チャーリーさんの一般オートグラフ。

ここで問題になってくるのがAさんとBさんの取ったチャーリー・コックス&ジョン・バーンサルのペアフォトオプだった。エースコミコン運営は、バーンサルさんが参加キャンセルとなった後、すぐさま「デアデビル」の出演女優エロディ・ユンさん(エレクトラ役)の参加を発表。バーンサルさんの抜けた穴をできる限り彼女が埋めることになった。つまりチャーリーさん&バーンサルさんのペアチケットは、自動的にチャーリーさん&エロディさんのペアチケットに移行されることが購入者にメールで知らされた。一方で、購入者はそのチケットを払い戻しできる旨もメールに書かれていた。AさんとBさんは払い戻しを考えたが、しかしメールには払い戻しの手順が書かれていない。

チケット払い戻しの詳細を訊くため、皆でRedemptionというコーナーへ行った。長机の前に長蛇の列ができていて様子を伺うと、どうやらフォトオプやオートグラフのチケットをそこで引き換えるらしいことに気付いた。Redemptionとはそもそもチケット引換を表していたのだった。どちらにしろ並ばなければならなかったわけだ。

チケット払い戻しについて言うと、私の力及ばず、できなかった。どういう順序かわからないが払い戻しはインターネットでやらなければならず、チケットの引換もした後だったのがまずかった(払い戻しについて訊く前に引換をしてしまった)。どれだけ食い下がっても会場では不可能だった。しかも他のチケットとペアフォトオプチケットを発行してしまっていたので、なおさら払い戻しは難しくなった。AさんとBさんは結局チャーリーさん&エロディさんのペアフォトオプをやることにした。申し訳なく思ったが、Aさんのデアデビルコンビとの写真が最高に素晴らしくて、救われた気がした。(Aさんの後にデアデビルコンビとの写真を撮ったBさんが、チャーリーさんに「彼女は君の友達?彼女、とってもラブリーだね!」と言われた話は何度聞いても幸せになる)

フォトオプが始まり、AさんとBさんとはチャーリーさん&エロディさんのペアフォトオプとチャーリーさんフォトオプのため別れ、私は単独行動をした。スタッフ探しである。

この日、エズラくんがファンタビ追撮のためコミコン参加が2日間から1日だけに減ることが発表され、そのため2日分のフォトオプとオートグラフが全部今日だけに詰め込まれることになったのだが、更に3日目(最終日)に行われるはずのジャスティス・リーグのパネルが2日目にずれるという噂をBさんが耳にしたという。しかしBさんにも詳細はわからないとのことなので、私は真偽を確かめるためインフォメーションと掲げるコーナーのボランティアスタッフに訊いた。すると彼は、たいそう愛想よく

「ここにイベントスケジュールがあるだろ?僕はここに書いてあること以外はなーーーんにも知らないよ☆」

と言った。オメー役立たずのくせして何でそんな明るいんだ。私が「じゃあ誰に訊けばいいっての?」と尋ねると、「ボランティアスタッフはダメだね。ブレザーを着た人がいいよ」私「IDぶら下げてる人?」スタッフ「そうそう!Tシャツ着てるやつはダメ!」オメーが着てるTシャツのことかよ。

私は信用できるスタッフ探しの旅に出た。

結論から言うと、オートグラフのブース辺りにいるネイビー(だったかグレーだったか)のブレザーを着たスタッフが大層親切な上に信用できた。1人のスタッフにパネルの変更はあるか尋ねると、わからないと言いつつその場にいた他のスタッフに訊いてくれ、更に彼曰く「このイベントの全てを知っている人」を捕まえて訊いてくれた。ジャスティスリーグのパネルに変更はなかった。

このコミコンで最も難しかったのが、情報の真贋を見極めることだった。

 

情報収集をしているうちに、AさんBさんがフォトオプを終え、Aさんがチャーリーさんオートグラフに行き、私はBさんと合流した。ヘンリーのフォトオプの時間まで、休憩所(だだっ広いスペースにテーブルと椅子を無数に置いただけの場所)で休憩。

時間が迫ると、信じられないくらい緊張してきて休憩所で半分ほどサンドイッチを食べる。口がカラカラで水を飲んでもすぐ渇く。

フォトオプブースは荷物検査が必要であり、待機列のスペースも限られているので、待機列に入れるかどうかはブース前のちっちゃいモニタにこれまたちっちゃい字で書かれる「俳優名/時間/VIPか一般参加/待機列番号」を見て判断する。

フォトオプブースに入場し、並んでる間に遅れていたエズラくんが来て周りが盛り上がる。私もフォトオプブースの中に入ろうとするエズラくんが見えた!!わー。

Aさん合流。ヘンリーの一般フォトオプ列に並ぶ。

ブースの中にいるヘンリーの姿が見えた瞬間、何も考えられなくなる。

 

えっいる?ホログラムでは?顔ちっさ、なのに背たかっ えっもう次の次?私の前でド緊張しているAさんの背中をスタッフさんと共に撫でる。Aさんが行く。

あっ実体だわ。えっ次?えっもう行くの?

えっ 近、

 

目の前、

わ、綺麗 

 

笑顔 

あ、ハロー(ハーイ!って笑顔で言ってくれた気がする)→ハグ(ほのかないい匂い)でめっちゃ手伸ばしたらヘンリーの腰の向こうで自分の両手が合わさった。腰回りがフニっとした。

 

(えっ…?)

 

この時頬にヘンリーの胸が当たっていたはずなのに記憶がない。ただ人生で最高の笑顔はしてたと思う。

 

パシャ!サンキュー! 

 

…えっ…?

 

え?

 

え…

 

いま私、推しに会いました? 

ハグしましたね?

 

フォトオプブースから3人揃って出たが、皆放心していたし、Bさんは感涙していた(ほんとに泣いてた)。

放心しながら、エズラくんのフォトオプに行くAさんBさんと別れ、プリントされた写真を取りに行きデジタルダウンロードの手続きをして、休憩所で1人に座った。
引き続き放心しつつツイートした。

 

 

 ツイートの合間にサンドイッチを食べた。動揺しすぎて、ツーショット写真が見られない。とりあえずデジタルダウンロードはしておいた。
ファーストコンタクトはヤバかった。

 

1人でヘンリーの一般参加オートグラフに並ぶ。オートグラフも緊張するけど、日本から持って来たプレゼントが渡せるかどうかヘンリーの近くにいるスタッフに訊かなければならないので緊張が倍だった。

ヘンリーのエージェントの女性を見かけたけど、訊ける場所にいなかった。緊張を紛らわせなくなりスタッフの人に言って1度トイレに行った。英語話せてよかったと心底思った。

オートグラフが始まる頃になってふと思い立って、ノートに「Could you write my name in Japanese? “ふみ”」と書いてひらがなで名前を書いた。

オートグラフがVIPから始まる。結構早い。

 

わ、わー、いる。

マンオブスティールのパンフを持って行く。フォトオプの時より机1個挟んでるぶんより見上げてる気がする。

ハーイ、と言ってパンフとメモを出しながら、口頭でも「Could you write my name in Japanese?」と言った。

ヘンリー「(ふみ、の字を見ながら)…What’s this? “B”?」

ワイ「This is my name in Japanese.(とか何とか言った気がする)」

ヘンリー「Okay...」

暗めの色のパンフに書こうとして、ネイビーのペンを持っていたことに気づいたヘンリー、最初シルバーのペンを持ったけどゴールドに変えて日本語に挑む。

ふの2画めから書き出したと思う。みは書き順通りだけど、最後の交差するところで書き足す感じ。すごく上手。

ワイ「Perfect! サンキュー」

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(全国の「ふみ」さんに届け)
 

最後に握手した。ヘンリーがなんか言ってたかは覚えてない。ただ握手した手があったかくてふわっと柔らかくて、なおかつ私の手を全部包むくらい大きかった。

オートグラフ後、その辺りにいるスタッフに口がカラッカラの状態で「I have a Henry Cavill’s VIP tomorrow. May I give him some gift directly?(明日のヘンリーのVIPチケットを持ってるんだけど、彼にプレゼントを直接渡せるかな?」(多分なんどもトチった)と訊くと「Yes.」と返ってくる。エッそんなあっさり?ワイ「I mean face to face.(対面でって意味だけど)」スタッフ「Yes.」ワイ「Directly?(直接?)」スタッフ「Yes.」
しつこいな自分。でもそれでプレゼントが渡せることが分かる。

 

ふらふらとオートグラフブースから離れ、AさんとBさんに酸素薄い感じのLINE送る。しかし脳みそに酸素が足りなかったのか、2人のメッセージを全然読めていなかった。(参照:再現画像)

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頭がアホになったまま呆然と2人と合流する。
いろいろヤバかったこととプレゼントを渡せるらしいこととかを伝え、ひと息つく。

 


さて、私たちにとっての2日目が終わった。夕方6時くらいだった気がするが、疲労困憊だった。

この日の夕食はAさんのお友達、Cさんとご一緒することになっていた。Cさんはヨーロッパにお住まいなのだが、ヘンリーのために大西洋を横断して1泊2日でコミコン3日目のみに参加しようという猛者だ(それを言ったら太平洋を横断した私たちは?という話は置いておこう)。

3人でCさんが滞在するホテルに向かい、ロビーで初めましての挨拶をし、挨拶もそこそこにホテルのレストランで夕食。Cさんも言うまでもなくヘンリーファンで、ヘンリー談義に花が咲いた。趣味は人の縁を繋ぐなぁとしみじみ思った。

ゆっくりと夕食を楽しみ、Uberでホテルへ帰った。

 

明日は最終日。

プレゼントは渡せるだろうか?フォトオプはどうしよう?と考えると、当然のことながらよく眠れなかった。